研究所ニュース

第70回日本公衆衛生学会レポート

10月に秋田で開催された公衆衛生学会で、研究員が研究成果を発表しました。

 

日時 2011年10月19~21日

会場 秋田県民会館、秋田アトリオン、秋田キャッスルホテル

 

健康運動指導分科会シンポジウム

日時 10月21日 (金) 9:30~12:30

テーマ 身体から心へ

 

レポート:北畠義典

 本シンポジウムは小島先生(財・宮城県成人病予防協会)ならびに北島先生(秋田大)座長のもと、精神科医(東邦大 井原先生)、健康運動指導士(京都大 梅田先生)、健康運動指導士養成(東海大 萩先生)、臨床心理士(秋田大 北島先生)のそれぞれのお立場から運動がメンタルヘルスに及ぼす影響についてのご発表がありました。私は他のシンポジストの先生方と同じ時間をいただいて「運動を主体に用いたプログラムが在宅高齢者の抑うつ症状に及ぼす効果」という内容で指定発言をさせていただきました。フロアーからの質疑応答も活発に行われ、あらゆる領域でメンタルヘルス改善に対する身体活動の有効性への関心が高いことが示されたシンポジウムでした。日本におけるさらなるエビデンスの蓄積が必要であり、これに貢献できるよう研究活動を進めていく所存です。

 

 

 

一般発表

レポート:江川賢一

 第5分科会(親子保健・学校保健)一般演題のセッションに参加しました。

 このセッションでは幼稚園での研究成果を報告しました。この研究は,体力のある幼稚園児は遊びが活発で,精神的に良好なことを横断研究により明らかにしたものです。

 このセッションには大学や研究機関の研究者のほか,言語聴覚士,保健センター保健師,医師が参加しました。多職種が連携しながら,子どもを対象とした支援だけでなく,子どもを取り巻く親や保育環境,地域での社会性の発達など,数多くの課題があることを共有しました。質疑応答では,幼児を対象とした精神的健康の評価方法や幼児の遊びを保育の現場でどのように展開していくか?といった点についてご意見やご質問を受けました。

 このセッションでの経験を踏まえて,幼児の健康づくりに役立つ研究を進めていきたいと思います。当日,貴重なコメントをいただいた先生方にお礼申し上げます。

 

レポート:甲斐裕子

 第8分科会(地域社会と健康)一般演題のセッションに参加しました。

 近年、健康と社会的要因の関係に注目が集まっています。特に、地域や組織の信頼やネットワークから構成されるソーシャル・キャピタルについては、本学会でも今年から演題数が増加しつつあります。しかし、ソーシャル・キャピタルと運動の地域レベルでの関係はまだわかっていませんでした。そこで地域高齢者を対象に、マルチレベル分析を用いて地域レベルの運動実施水準とソーシャル・キャピタルの関連を検討しました。その結果、運動実践者が多い自治会ではソーシャル・キャピタルが高いことがわかりました。さらに、運動実践者が多い自治会に所属する人は、本人の運動の頻度に関わらず、ソーシャル・キャピタルが高いことが示唆されました。質疑応答では、新しい分析手法(マルチレベル分析)にたくさんのご質問をいただき、必要性の高さを実感しました。

 

更新日:2011/12/27