ウェルネス開発室

最新の健康科学に裏付けられた実践的なプログラムを開発し、健康づくりの普及啓発を
目指しています。

最新の健康科学に裏付けられた実践的なプログラムを開発し、健康づくりの普及啓発を目指しています。

健康づくりプログラム

測定プログラム 運動機能測定項目

筋肉バランス

 "脂肪がつき過ぎる"と生活習慣病になることはよく知られていますが、"筋肉が少ない"ことも大きな問題なのです。
 筋肉は、身体を支え、動きを作りだす働きがあり、使わないと減ります。筋肉量が少ないことが活動不足となり、代謝機能の低下が太りやすい体質となってメタ ボリックシンドロームに結びついてしまいます。また、身体を支えることができず、姿勢の歪みを引き起こし、腰や膝などの関節痛に結びつくロコモティブシン ドロームになります。筋肉量が少ないことをサルコペニアといって、高齢化の健康問題となっています。

 筋肉量の測定は、安価で手軽なインピーダンス法(BIA: bioelectrical impedance analysis、生体電気抵抗法)で行います。BIA法は、身体に微弱な電気を流して電気抵抗値を測定する方法です。BIA法は、体脂肪計に用いられていますが、電気は水分を含む筋肉では通りやすく、脂肪は電気を通さない絶縁体とされますので、BIA法は脂肪よりもむしろ筋肉を測定するのに適しているといえます。

 また、全身の筋肉量だけでなく、電極の位置や電気の流し方を工夫することで筋肉分布も評価できます。筋肉分布は偏った運動種目や日常動作によってアンバランスになりがちです。そのバランスを整えるための補強トレーニングも提案することができます。

測定風景

測定風景
(フィジオン社製 Physion MD)

結果サンプル

結果サンプル

基準値

(1)年代・性別 筋肉率基準値
身長あたり筋肉量基準値=身長(cm) ×筋肉率(%)÷ 100
年代・性別 筋肉率基準値はこちら(48KB)
(2)筋肉量スコア(標準最小を0、標準最大を100としたときのスコア)の算出方法
筋肉量スコア=(筋肉量-標準最小筋肉量)÷(標準最大筋肉量-標準最小筋肉量)×100
(注)筋肉量は、上記(1)式で算出
(3)左右バランス(右に対する左の割合)の算出方法
左右バランス=左筋肉量÷右筋肉量×100

評価方法

  • 筋肉量スコア
    筋肉量スコアが0%は標準値の下限、100%は上限です。0%に満たない部分は積極的に鍛えましょう。
  • 部位別バランス
    部位別にみて、筋肉量スコアが少ない部分は鍛えましょう。
  • 左右バランス
    筋肉量の左右のバランス。右に対して左がどの程度かを表します。95~105%が理想です。90%以下の方は左側を、110%以上の方は右側をより強化していきましょう。

脚の老化度

 膝を伸ばす時に発揮される太ももの最大筋力(脚伸展筋力)を測定します。脚伸展筋力は、ある年代から加齢とともに低下しますので、同年代の平均値と比較し、評価します。また、身体の大きさに応じて、相対的に筋力を評価する指標として体重支持指数(WBI: weight bearing index)があります。これは、「脚伸展筋力÷体重」で求められ、自分の体重を支える脚の力がどの程度あるのかをみることができます。このWBIから、下肢のケガや障害を予防し安全に行える運動種目を提案します。

測定風景

測定風景
(ヴァイン社製 パワープロセッサー)

結果サンプル

結果サンプル

基準値

(1)年齢・性別 脚伸展筋力の基準値
年齢・性別 脚伸展筋力基準値はこちら(13KB)
(2)WBI
WBI
山本ら: 下肢筋力が簡便に推定可能な立ち上がり能力の評価. Sportsmedicine. 2002;41:38-40. 改変

平均値

平均値グラフ
(明治安田厚生事業団 資料より)

評価方法(WBI)

特に運動では、その種目によって、脚に対する負担の大きさが異なります。
歩行には、WBI0.45以上が必要です。0.45を下回っている場合は、下肢に負担がかからない水中運動や自転車こぎなどがおすすめです。ジョギングは0.6以上、ジャンプを行うためには0.9以上のWBIが必要です。

健康的な生活活動を続けるために、0.6以上を維持しましょう。

おすすめ運動強度

 有酸素運動を処方する際、強度の目安として、AT(Anaerobic Threshold: 無酸素性作業閾値)という指標があります。これは、からだのエネルギー供給機構が有酸素から無酸素に切りかわる強度のことで、この強度以下の運動は、疲労物質である乳酸の蓄積が抑えられ、身体の負担が小さいレベルといえます。また、AT強度での運動は、脂肪の燃焼効率も良いことが知られています。したがって、減量を必要とするメタボリックシンドロームの人や高齢者、低体力者などにはお勧めの強度といえます。

 このATポイントを求める方法はいくつかありますが、明治安田厚生事業団では、DPBP(Double Product Break Point: 二重積屈曲点)という指標を活用しています。

 測定は、自転車エルゴメーターで徐々に負荷量を増やすRamp負荷法を用いて、運動中の収縮期血圧と心拍数を測定します。収縮期血圧×心拍数は、心臓の負担度(心筋酸素需要量)を示しますが、これをDP(Double Product: 二重積)といいます。このDPが急激に上昇するポイント、つまり、心臓血管系に負担がかかり始めるポイントがDPBP: double product break point(二重積屈曲点)です(DPBPの求め方参照)。DPBPを超える強度では、心筋の酸素不足状態(虚血)の目安となる心電図のSTレベルの低下がみられる場合があります(心電図STレベルの変化参照)。

測定風景

測定風景
(フクダ電子社製 ML-3600)

結果サンプル

結果サンプル

DPBPの求め方

DPBPの求め方

心電図STレベルの変化

心電図STレベルの変化

評価方法

 減量を必要とするメタボリックシンドロームの人や高齢者、低体力者などはDPBP時の運動強度が安全といえます。DPBPを超えても問題がない場合は、DPBP以上の強度が効果的といえます。

注意事項
 「おすすめ運動強度」で行う自転車テストは、医療機関で行われている運動負荷試験のように医学的な循環器疾患を発見、診断する目的のものではなく、運動処方に用いるために行うものです。運動の強度を漸増させるため、事前の医学的検査や医師の確認がない場合、また状況により実施できないことや中止することがあります。

最適ウォーキング

 健康づくり運動として歩行が推奨されます。移動の手段として歩くことは身近で、歩くきっかけ(頻度)を増やしたり、時間を延ばすことができます。また、普段より速く歩いたり、階段や上り坂を使うことで強度が高まります。強度が上がれば、短時間で身体活動量を確保することができるだけでなく、体力(全身持久力)の維持向上にも役立ちます。

 明治安田厚生事業団では、ウォーキングについて、どの程度の速度が適切なのか、また、運動基準を満たすために必要な運動時間はどのくらいなのかを一人ひとりに処方しています(プログラム成果8,9)。処方する歩行速度は、DPBP強度に相当する心拍数を目標とし、トレッドミルで心拍数を確認しながら実体験します。適した速度が決定したら、運動量を計測できる身体活動量計を装着し、単位時間あたりの歩数や運動量を測定します。これを基に、一人ひとりの速歩の強度(METs)を計算し、運動基準に必要な運動時間を求めることができます。

測定風景

測定風景

評価方法

 健康づくりには、まず、必要な身体活動量を確保すること、そして、合せて運動を取り入れることが大切です。身体活動とは、日常生活で身体を動かす全てのことをいい、運動はその中で特に、体力を必要とする計画的なものを指します。
健康づくりのための運動は、強度、時間、頻度を考慮することが大切です。

 強度は心拍数が目安となります。歩行時の心拍数は歩行スピードに応じて変化しますので、ここでは「おすすめ運動強度」で判定された心拍数になるようなウォーキングを最適歩行としました。自覚的には、軽い~ややきついと感じる程度です。

 生活習慣病や減量を目的とした必要な運動量を1週間に3~5回の合計で達成しましょう。
まずは、1回に10分以上続けて歩く時間を確保することからはじめましょう。

出張型での「運動健診」も行っております
職場の健康教育や地域住民の健康づくりにお役立てください

詳細は、「健康づくり講演会」をご覧ください

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