公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

持久力を高めて、作業効率を向上させる

最近、仕事中の効率低下を感じることはありませんか?
持久力と作業記憶能力の関連についてご紹介します。

作業記憶能力は30歳から低下する?


仕事をミスなく効率的に進めるために必要な脳の機能に、作業記憶(ワーキングメモリとも言います)があります。これは、ある情報を一時的に頭のなかにしまい、必要に応じて引き出したり削除したりしながら作業する能力です。

例えば、指示されながら作業を進めたり、2つの作業を並行して進めるといった場面で必須の機能です。この作業記憶能力は、主に前頭前野と呼ばれる脳の前側の部分が担っていますが、加齢による脳の衰えとともにだんだん低下します。低下は30代から始まるという研究もあります。では、どうやってこの機能の衰えを防ぐことができるでしょうか。

持久力を高めることが、作業記憶能力の向上に有効?


加齢による作業記憶能力の低下は個人差が大きく、年をとっても能力を高く維持している人がいます。この個人差を決める要因として、持久力(有酸素能力)が重要かもしれません。私たちの研究で、地域の高齢者を対象に持久力(換気性作業閾値)と作業記憶能力の測定をおこなったところ、持久力の高い方ほど作業記憶能力の成績が良く、また作業記憶を働かせているときの前頭前野の活動も高い傾向が見られました。持久力の指標(換気性作業閾値)は、日常の身体活動量と関連することが報告されています。仕事の効率低下を感じている方は、身体を動かす習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
作業記憶能力のイメージ


持久力と作業記憶能力の関係


持久力を高めて、作業効率を向上させる(PDF:620KB)

著者
兵頭 和樹 Hyodo Kazuki
体力医学研究所 研究員

専門分野 運動生理学、認知神経科学
主な研究テーマ 運動が高齢者の認知機能に与える効果
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