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健康づくりウォッチ

過敏性腸症候群(IBS)とFODMAP(フォドマップ)

腸内細菌を意識した食事療法と「低FODMAP食」


最近一般的になってきた腸内細菌を意識した食事療法は、おなかの調子が悪くない人にとっては有効ですが、調子の悪い人にとっては、さらに悪化させるという面もあります。

しかし、オーストラリアで始まった「低FODMAP食」は、
 ① 科学的に効果が証明されている
 ② 必要な栄養素はとれる
 ③ 長期間の症状の落ちつきが得られる

という特徴があります。ただし、低FODMAP食を始める前に、まず、IBSの診断をきちんとつけることが重要です。

FODMAPとは・・・
発酵性の吸収されにくい短鎖炭水化物群のことです。これを含む食物を食べすぎると、お腹がゴロゴロして痛んだり、下痢したり、ガスが多くなったりします。腸内の善玉菌(ビフィズス菌、ラクトバチラス、LGG乳酸菌など)はIBSの人に有効で、これらを複数摂るとお腹の調子が整いますが、これらをヨーグルトで摂ると問題になることがあります。FODMAPの多いものを食べると、IBSの人は、大腸内の酸性度が高くなり、症状が強くなるのです。FODMAPを避けた食事を3週間続けると、IBSの75%の症状が軽減します。

「低FODMAP食」のお勧め


低FODMAP食とは、ガラクトオリゴ糖(ガラクトースの重合体)、フルクタン(果糖=フルクトースの重合体)、ポリオール(ソルビトールやキシリトールなど)を制限し、乳糖不耐症や果糖不耐症がある場合は過剰摂取を避ける食事法です。
低FODMAP食はIBSの人だけでなく、潰瘍性大腸炎やクローン病の人の症状の改善にも有効です。

FODMAPの特質
① 小腸で吸収されない
② 消化管内に過剰な水分を呼びこみ、下痢のもとになる
③ 大腸内にいる腸内細菌のジャンクフードになり、異常発酵によりガスを発生させる


【引用図書】
江田 証,「パン、豆類、ヨーグルト、リンゴを食べてはいけません」さくら舎(2017)
パッツィー・キャッソス著, 天戸 文美訳,「過敏性腸症候群は食事で治る!」弘文堂(2016)



過敏性腸症候群(IBS)とFODMAP(PDF:713KB)


著者
進藤 仁 Shindo Hitoshi 博士(医学)
一般財団法人 明治安田健康開発財団 新宿健診センター 医師

専門分野 消化器・内科
健康のために行っていること 禁煙・節酒、ウォーキング(通勤に毎日1時間)

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