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新しい生活様式における身体活動・運動の実践とその効果
-最新の科学的エビデンスに基づいて-

新型コロナウイルス感染拡大下における新しい生活様式の模索


新型コロナウイルス感染拡大が続くなか、新しい生活様式の構築が求められています。今回は、そのような視点から身体活動・運動の実践とその効果を最新の科学的エビデンスに基づいてお知らせします。

新型コロナウイルス感染拡大による身体活動量への影響の国際比較


世界各国で感染拡大防止対策として、都市封鎖を含む厳しい外出規制が実施されました。対策は国により異なりますが、影響が大きく現れたのが日常生活での身体活動量です。2020年6月29日、新型コロナウイルス感染拡大による世界各国の身体活動量(歩行数)への影響についての報告がなされました※1
調査は2020年1月19日から6月1日まで、187か国の455,404名からスマートフォンの加速度計による歩数データが集められ、国別に検討されました。

パンデミック宣言後、10日間で5.5%、30日間で27.3%歩数減少


感染拡大による歩数への影響は、WHOのパンデミック宣言が出された3月11日までの1日当たりの平均歩数(1月19日~3月11日)が、その後どの程度減少したかにより検討されました。その結果、全体ではパンデミック宣言後の10日間で5.5%(287歩)減少、30日間で27.3%(1432 歩)減少したとされています。

感染拡大が大きい国ほど短期間で歩数が減少
韓国、台湾、日本など比較的感染拡大が少ない国では全期間を通じて比較的緩やかな歩数の減少


国別では、外出制限措置の内容や実施時期により大きく異なり、3月9日に都市封鎖が実施されたイタリアでは48.7%と最大の減少を示したのに対し、ソーシャルディスタンシングの確保や大勢での集会制限を広く呼び掛けただけのスウェーデンでは最小の6.9%の減少であったとされています。
パンデミック宣言後の歩数が15%減少に至る日数では、イタリアが5日、スペイン9日、フランス12日、インド14日、アメリカ15日、イギリス17日となっており、感染拡大が大きい国ほど短期間で歩数が減少しています。
一方、韓国、台湾、日本といった比較的感染拡大が少ない国では全期間を通じて比較的緩やかな歩数の減少にとどまり、日本の15%減少日数は24日となっています(図1)。
このように、感染拡大による歩数の減少は、ソーシャルディスタンシングの内容や実施状況により大きく異なります。対策が長期継続するような場合は、身体活動不足による健康問題についても十分な配慮が必要となります。
図1 各国の新型コロナウイルス感染拡大による歩数への影響

※1 Geoffrey H. Tison, et. al, Annals of Internal Medicine, 29 Jun 2020, https://doi.org/10.7326/M20-2665


今後の外出自粛による子どもの肥満発生への影響


アメリカでは以前から子どもの肥満が多く、将来の生活習慣病につながることから大きな社会問題となっています。またアメリカでは、新型コロナウイルス感染拡大により、2020年4月13日から約2か月間、学校閉鎖を実施しました。このような社会環境の変化は、子どもの身体活動量を大きく減少させ、肥満児童の大幅な増加をもたらす危険性があると指摘されています。この点に関して、2020年5月、全米の児童15,631名を対象とした肥満児童の実態把握と今後の生活様式(5種類)に対応した肥満児童の増加についての予測結果が発表されました※2

学校閉鎖や身体活動量の減少による肥満児の増加を予想


発表によると、新型コロナ問題発生前の2020年4月時点での肥満児の割合は13.52%であるのに対して、1年後には、新型コロナ問題が発生しなければ(対照群)14.77%(+1.25%)と予測されます。これに対して、4~5月の2か月間学校閉鎖が実施されると(①)15.41%(+1.85%)、4~5月の2か月間学校閉鎖が行われ、さらに6~8月(夏休み中)の身体活動量が10%減少すると(②)15.74%(+2.22%)、9~10月の新学期に学校閉鎖が再び実施されると(③)16.45%(+2.93%)、11~12月まで学校閉鎖が継続されると(④)17.15%(+3.63%)増加することが予想されます(図2)。
図2 新型コロナウイルス感染拡大にともなう学校閉鎖とその後の生活様式による子どもの肥満に対する影響についての予測(全米児童縦断調査の結果)


このことから、新型コロナウイルス感染拡大による子どもの生活への影響が長引くほど、肥満が多くなることが予想され、背景には身体活動量の減少が大きく関係していると指摘しています。身体活動量に対する影響は日本の子どもでも同様に生じている可能性が大きいことから、今後は子どもを対象とした身体活動を促進するための対策が重要と思われます。

※2 Ruopeng An, Journal of Sport and Health Science, 23 May 2020. https://doi.org/10.1016/j.jshs.2020.05.006


テレワークによる健康への影響


イギリスの調査機関Institute for Employment Studiesは2020年3月に、ロックダウン下でテレワークをしている850名を対象として、健康問題についてWeb調査を行いました。回答が得られた500名のデータについて分析し、4月にその結果を速報しました※3

生活習慣に関わる問題としては、運動量の減少が最多


速報によれば、身体的には、首、背中、肩等の痛み、眼精疲労、頭痛や片頭痛といったデスクワーク特有の局所的な問題が多いとともに、睡眠の不調や疲労感といった全身的な問題も多くあげられました。また、収入、孤独、活気、ワークライフバランス、家族の健康などに不安を感じている人も多く、精神的な問題もあることがわかりました。
テレワーク時の生活習慣については、運動量の減少(60%)を挙げる人が最も多く、次いで食生活の乱れ(33%)や飲酒量の増加(20%)が多くなっています。仕事関連では、長時間労働(48%)、労働時間の確保の難しさ(43%)、仕事のプレッシャー(36%)、病気休暇の取りづらさ(26%)といったことが多くあげられました(図3)。
図3 テレワーク時の生活習慣および仕事に関する問題


テレワークに即した新しい生活パターンの構築を!


テレワークでは仕事に集中しやすいことから、つい長時間の仕事となり、自宅滞在時間が長くなって他人との交流の機会が少なくなるといった生活パターンが定着しやすいものと思われます。その結果、外出の機会が少なくなり身体活動量が大きく減少し、身体的及び精神的な健康問題の発生につながっている可能性が考えられます。
したがって、テレワークが長期的になるような場合は、仕事、休養、運動、食事、睡眠、趣味・娯楽などの活動をバランスよく配置した生活パターンを構築し、規則正しく生活を営むことが重要となります。

※3 Stephen Bevan, et. al, Homeworker Wellbeing Survey, Interim results, 7 April 2020, www.employment-studies.co.uk.

新しい生活様式における身体活動・運動の実践とその効果


①ココロとカラダをすっきりさせるこちら


②運動実践とその効果 こちら


※それぞれの詳細は、リンク先をご覧ください


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