公益財団法人 明治安田厚生事業団

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研究所レポート

第7回国際身体活動公衆衛生会議で発表

国際身体活動公衆衛生会議は、人々の生涯における身体活動の促進を目標とする2年に1度の大規模な国際会議で、今年度はイギリスで開催され、当研究所はポスター発表2件で研究成果を発表しました。

なお、身体活動の促進を効率的に行っていくためには、多業種の連携が必要であることから、研究者のみならず、WHO(世界保健機関)や英国公衆衛生庁、Sport England(日本でのスポーツ庁)など、関連する組織の代表者等も参加します。

学会情報


学会名
第7回国際身体活動公衆衛生会議(7th International Society for Physical Activity and Health (ISPAH) Congress)

日程
2018年10月15日から17日

開催地
イギリス・ロンドン

ポスター発表


北濃成樹、甲斐裕子、神藤隆志、角田憲治、小野寺由美子、塙智史、朽木勤、内田賢、永松俊哉

Replacing objectively measured sedentary time with physical activity: cross-sectional associations with cardiometabolic risk factors in Japanese employees


近頃、座りすぎが体に良くないことがわかってきています。では、座りすぎをやめる代わりに、どのような活動を行うと健康によいのでしょうか。私たちは、健診センターを受診した約1,200名の勤労者に活動量計を配り、1日の行動とメタボリックシンドロームの関連性を調査しました。
統計的にシミュレートした結果、1日30分間、座っている時間を“歩いたり運動したりする時間”に置き換えると、腹囲が約1.2 cm軽減し、空腹時血糖や中性脂肪の値が改善する可能性があることや、メタボリックシンドロームである可能性が約25%低くなることが示唆されました。興味深いことに、座っている時間を“家事やゆっくりした歩行などの低強度の活動をする時間”に置き換えた場合には、こうした恩恵はみられませんでした。メタボリックシンドロームの予防・改善には、ある程度しっかりと体を動かすことが重要かもしれません。

※本研究は、MYライフ・ドックと連携した研究成果です。



神藤隆志、甲斐裕子、北濃成樹、荒井弘和、牧島満、永松俊哉

Self-efficacy scale for breaking up prolonged sitting for office workers: development and validity


近年、勤労者の健康問題として注目されている「座りすぎ」ですが、連続した座位時間(座りっぱなし)が長いと、より健康への悪影響が大きいと報告されています。そこで本研究では、このような「座りっぱなし」を中断することに対する見込み(セルフエフィカシー)の程度を測る心理尺度を開発し、この尺度が実際の座位行動を反映しうるかを調べました。セルフエフィカシーとは、ある行動をどの程度上手くできるかという見込みのことを指します。
その結果、”60分あるいは90分に、少なくとも1回以上立ち上がる“というセルフエフィカシーが高い人ほど、勤務日の座りっぱなしが少ないことが確認されました。セルフエフィカシーが実際の座位行動を反映しうるということは、セルフエフィカシーを高めるような取り組みが座位行動改善に有効であることが示唆されます。今後は、尺度の完成を目指すとともに、この尺度を用いて効果的に座位行動を改善する方法を見出していきたいと考えています。

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