公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

適度な筋トレで健康寿命の延伸を!

筋力アップやシェイプアップに有効な筋トレ。
疾病や死亡リスク低減への効果も期待できることが分かってきました。

筋トレによる疾病・死亡のリスク低減効果


筋トレが筋量の維持やシェイプアップに効果的であることはよく知られていますが、心疾患やがんなどの疾病予防にも好影響を及ぼす可能性があることをご存じでしょうか?

私たちの研究では、筋トレと疾病や死亡リスクとの関連を長期にわたって検討した先行研究のなかから信頼性が高いと判断した16件の研究を抽出し、その研究成果を解析しました。

その結果、筋トレを実践している人では、実践していない人と比べて死亡、心血管疾患、がん、糖尿病のリスクが12〜17%低いことが明らかになりました。また、死亡、心血管疾患、がんについては、筋トレを1週間あたり30分〜60分実践することで最もリスク低減が見込まれ、糖尿病については実践時間が長いほどリスクが低くなるという結果が確認されました(図1)。



筋トレだけでなく、いろいろな運動を


また筋トレにウォーキングやジョギングなどの有酸素性運動を組み合わせた場合の効果についても検証しました。その結果、筋トレだけ、あるいは有酸素性運動だけを実践している人よりも、両方を実践している人の方がリスク低減効果がさらに大きいことが分かりました(図2)。



WHO(世界保健機関)は、特に高齢者に向けて、持久力、筋力、バランス能力、柔軟性など、複数の体力要素を高める複合的運動(マルチコンポーネント運動)の実践を推奨しています。すでに筋トレをしている方は、ウォーキングやジョギングにも取り組んでみてはいかがでしょうか。

【出典】Momma, Kawakamiら, British Journal of Sports Medicine (2022)


※PDF版はこちら

著者
川上 諒子 Kawakami Ryoko
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 運動疫学
主な研究テーマ 健康づくりのための身体活動・体力、身体活動・体力・筋量の評価法、スポーツ観戦の健康効果
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