公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

スポーツ観戦で、こころを元気に!

スポーツ選手の活躍を観て「元気をもらった」と感じることはありませんか?
その効果が本当にありそうです!

スポーツを観戦している高齢者は“うつ”のリスクが低い


スポーツが健康に良いのはよく知られていますが、スポーツ観戦の健康効果に関する研究はほとんどありません。そこで私たちは21,317人の高齢者を対象に「直接現地」と「テレビ・インターネット」でスポーツを観戦する頻度を尋ね、うつ傾向との関連を調べました。その結果、日頃スポーツをしているかどうかに関わらず、何らかのスポーツを月1回~年に何回か現地観戦している、あるいはテレビ・インターネットで毎週観戦している高齢者は、全く観戦していない人に比べてうつ傾向のリスクが約3割低いことがわかりました。どうやら本当に、スポーツ選手の活躍を観ることで、元気をもらうことができるようです!

豊かな友人関係、地域への愛着や信頼がこころを元気にする?


ではなぜ、そんなことが起こるのでしょうか。スポーツ観戦がうつ傾向のリスクを緩和するメカニズムを探るため、その経路となっている要因について分析しました。その結果、現地とテレビ・インターネット観戦のいずれについても、観戦者は非観戦者よりも地域への信頼や愛着、助け合いが豊かであり、友人と会う頻度や人数も多く、それらが経路となってうつ傾向リスクの緩和と関連していることがわかりました。観戦とうつ傾向の関連性を100とした場合、10~25%はこれらの経路で説明することができます。



スポーツ観戦によって友人や地域とのつながりが豊かになることで、こころが元気になっているのかもしれません。

【出典】Tsujiら, Scientific Reports(2021)




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著者
辻󠄀 大士 
筑波大学
体育系 助教

専門分野 運動・スポーツ疫学、公衆衛生学
主な研究テーマ 運動・スポーツを活用した、地域づくり型の介護予防



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