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研究所レポート

第66回アメリカスポーツ医学会で発表

第66回アメリカスポーツ医学会にて、自発的な運動を促す環境におけるメンタルヘルスの変化について発表しました。
須藤研究員のポスター発表の様子

学会情報


学会名
第66回アメリカスポーツ医学会(66th American College of Sports Medicine(ACSM’s )Annual Meeting)

日程
2019年5月28日~6月1日

開催地
アメリカ・オーランド

ポスター発表


須藤みず紀、安藤創一

Environmental enrichment increases spontaneous locomotor activity in rats


運動の実施は、メンタルヘルスの安定や改善をもたらすことが明らかになってきました。とはいえ、現代社会のライフスタイルにおける運動時間の確保は多くの健康づくりの対策として課題となっています。

そこで、日常的な「生活活動=運動」と解釈した場合、メンタルヘルスに効果的かを検証したのが本研究のテーマです。
生活活動のなかに運動を溶け込ませるような環境を設定し、メンタルヘルスに及ぼす影響について動物モデルを用いて検証しました。

その結果、遊具などがない環境(通常環境)で飼育された動物と比べて、「走る・登る」などの動作が可能な遊具を設置した豊かな環境にて6週間飼育された動物は、①自発的な運動活動レベルが増加すること、②不安な感情が抑制されること、③骨格筋量が増加することが明らかになりました。

これらの結果は、日常的に身体を動かすことが心身の健康を促す可能性が高いことを表しています。運動は、特別な時間が確保できなくても実施可能です。日常的な身体活動を促す工夫(例:階段の利用、こまめな歩行など)だけでも、「心身の豊かさ」を得ることができるかもしれません。本研究が、個々人にとっての「豊かな環境」を探索するきっかけにつながることを願っています。

発表者からひとこと


世界な「現実的な健康に対する盛り上がり」を実感!

これまでの「運動とメンタルヘルス」の研究は、日常的なメンタルヘルスに焦点を当てた課題は極わずかでした。しかし、この度の学会では、生活における「感情・情動」も対象にした研究課題が多いことを感じました。また、「運動」という限定的な動作だけでなく「身体活動」が及ぼす影響が「スポーツ医学」のなかでも積極的に取り上げられてきており、世界的にも「現実的な健康に対する盛り上がり」を実感する機会となりました。
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