研究所レポート
2025年8月29日
第66回日本人間ドック・予防医療学会学術大会で最優秀口頭発表賞を受賞しました
第66回日本人間ドック・予防医療学会学術大会(8月22~23日に京都府で開催)において、当研究所の客員研究員である角田憲治氏がMYLSスタディⓇ(明治安田ライフスタイル研究)からの研究成果を発表し、最優秀口頭発表賞を受賞しました。
演題名
脂肪肝保有者の糖尿病合併を予防する行動置換モデルの検証―加速度計評価に基づく24時間組成データ解析―
発表者
角田憲治、北濃成樹、甲斐裕子、神藤隆志、荒尾 孝
概要
肝臓は血糖値を安定させるために重要な役割を果たしていますが、脂肪肝の人ではこの機能が低下し、糖尿病になるリスクが高まります。この研究では、2017年度から2022年度にかけてMYLSスタディに参加した人のうち、脂肪肝の診断を受け、かつ多量の飲酒をしていない1038名を対象に、1日のうちに身体活動・座位・睡眠に費やす時間と、糖尿病関連指標(空腹時血糖、HbA1c、インスリン抵抗性)との関連を調べました。
分析の結果、座っている時間が長いと血糖値が高く、睡眠時間が長いとHbA1cの数値が低いことがわかりました。また、中高強度の身体活動に費やす時間が長いとインスリン抵抗性が低いことが確認されました。さらに試算の結果、座っている時間を低強度の身体活動に置き換えると血糖値が、睡眠時間を増やすとHbA1cが下がり、中高強度の身体活動を増やすとインスリン抵抗性が改善されることが予測されました。これらの結果から、脂肪肝の人が糖尿病になることを防ぐためには、座っている時間を減らして身体活動や睡眠を増やすことが効果的である可能性が示されました。
体力医学研究所の研究員だった時から10年以上にわたって継続してきた脂肪肝研究に対し、このような高い評価をいただき、大変うれしく、光栄に存じます。研究開始当初は、医学的知識が十分ではなく、分からないことがある度に、明治安田新宿健診センターの職員の方々に教えていただいておりました。新宿のビルを見上げながらセンターまで通った日々が懐かしいです。あらためて、MYLSスタディを支えてくださっている明治安田新宿健診センターの関係者の皆様に心から感謝申しあげるとともに、この人間ドックという世界に誇る予防医療システムの一端に触れられていることを、とても幸運に、ありがたく思います。また、同センター受診者の皆様にも心より御礼申しあげます。

発表について
演題名
脂肪肝保有者の糖尿病合併を予防する行動置換モデルの検証―加速度計評価に基づく24時間組成データ解析―
発表者
角田憲治、北濃成樹、甲斐裕子、神藤隆志、荒尾 孝
概要
肝臓は血糖値を安定させるために重要な役割を果たしていますが、脂肪肝の人ではこの機能が低下し、糖尿病になるリスクが高まります。この研究では、2017年度から2022年度にかけてMYLSスタディに参加した人のうち、脂肪肝の診断を受け、かつ多量の飲酒をしていない1038名を対象に、1日のうちに身体活動・座位・睡眠に費やす時間と、糖尿病関連指標(空腹時血糖、HbA1c、インスリン抵抗性)との関連を調べました。
分析の結果、座っている時間が長いと血糖値が高く、睡眠時間が長いとHbA1cの数値が低いことがわかりました。また、中高強度の身体活動に費やす時間が長いとインスリン抵抗性が低いことが確認されました。さらに試算の結果、座っている時間を低強度の身体活動に置き換えると血糖値が、睡眠時間を増やすとHbA1cが下がり、中高強度の身体活動を増やすとインスリン抵抗性が改善されることが予測されました。これらの結果から、脂肪肝の人が糖尿病になることを防ぐためには、座っている時間を減らして身体活動や睡眠を増やすことが効果的である可能性が示されました。
角田客員研究員 受賞のコメント
体力医学研究所の研究員だった時から10年以上にわたって継続してきた脂肪肝研究に対し、このような高い評価をいただき、大変うれしく、光栄に存じます。研究開始当初は、医学的知識が十分ではなく、分からないことがある度に、明治安田新宿健診センターの職員の方々に教えていただいておりました。新宿のビルを見上げながらセンターまで通った日々が懐かしいです。あらためて、MYLSスタディを支えてくださっている明治安田新宿健診センターの関係者の皆様に心から感謝申しあげるとともに、この人間ドックという世界に誇る予防医療システムの一端に触れられていることを、とても幸運に、ありがたく思います。また、同センター受診者の皆様にも心より御礼申しあげます。