健康づくりウォッチ
2018年7月12日
痩せている女性の高血糖リスク
今まで肥満が糖尿病リスクだと言われてきましたが、最近BMI18.5未満の痩せの女性の糖尿病発生リスクについても問題視されています。特に日本人は先進国のなかでも痩せ傾向が進んでいます。
閉経後の痩せている女性は、高血糖リスクが高い
若い女性(20代)と閉経女性(50~65歳)を対象に、糖代謝と筋肉量の関係を比較した研究をご紹介します。それによると、若い女性では「痩せ」と「適正体重」のどちらにも糖代謝異常が見られませんでした。一方、閉経女性では、「適正体重」に比べて「痩せ」の方が、糖負荷後の血糖値が高い人の割合が多いことがわかりました(図1)。
糖負荷後の血糖値に異常が見られた原因には、①筋肉量が少ない、②インスリン分泌能が低い、③筋肉内の脂肪量が多いことなどが考えられます。
高血糖リスクを減らすには、筋肉の質と量を高める
痩せて筋肉量が少ない女性は、食後に十分な量のブドウ糖を筋肉に取り込めず、さらに筋肉内に脂肪が蓄積すると、インスリンの効きが悪くなるため、高血糖になりやすくなります。無理なダイエットや極端な糖質制限を行うと、血糖を維持するために、筋肉を分解してしまいます。痩せた女性の高血糖リスクが高まる要因は、筋肉の量と質にあります。バランスのとれた食事と筋トレ、有酸素運動を行って、筋肉の質と量を高めることが大切です。
痩せている女性の高血糖リスク(PDF:647KB)
「痩せている女性の高血糖対策」(健康づくりウォッチ2018 第2号)はこちら
著者
中田 希代子 Nakata Kiyoko 博士(医学)
一般財団法人 明治安田健康開発財団 新宿健診センター 副所長
専門分野 循環器・内科
健康のために行っていること 適度なスポーツ
中田 希代子 Nakata Kiyoko 博士(医学)
一般財団法人 明治安田健康開発財団 新宿健診センター 副所長
専門分野 循環器・内科
健康のために行っていること 適度なスポーツ