公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

歳をとることが楽しみになるブレインヘルス

キーポイントは骨格筋

「脳の健康」=「ブレインヘルス」


「人生100年時代」と言われる昨今。身体だけでなく、心も健やかに老いることが大切です。心というと胸に手を当ててしまいますが、実際、心をコントロールしているのは「脳」なのです。つまり、心とは、気分や感情だけではなく、判断・計画性・集中力といった「実行する能力(認知機能)」も含まれ、「心の健康」=「ブレインヘルス(脳の健康)」を意味します。

脳が健康であると、気分も良く、いろんな場面で自分の意思による判断ができ、計画的にものごとを進められます。高齢になっても、脳の働きが活発であれば、活動範囲が広がり、身体活動も促進され、身体の健やかさが維持できます。すなわち、「生活の質に対するポジティブサイクル」が生まれるのです。このように、楽しい生活を送るためには、「ブレインヘルス」を意識することが大切です。

ブレインヘルスには骨格筋が必須?!


「脳」と「骨格筋」。一見すると関係のない臓器同士ですが、強固な関係性が築かれていることが近年の研究でわかってきました。海外の研究によると、身体運動にともない、骨格筋から「マイオカイン」と総称されるさまざまな物質が血液中に分泌されます。このなかには、脳における神経細胞の活動を促進させるタンパク質も含まれており、空間認知記憶の向上やうつなどを予防することが示されています。



これらの研究結果から、運動、すなわち骨格筋を動かすことは、脳の機能をサポートしていることがわかります。ヒトは30代から骨格筋量が減少しますが、テレワークや在宅による身体活動量の減少は、さらなる「骨格筋の質の低下」を招く恐れがあります。つまり、ブレインヘルスを目指すには、自分の骨格筋を衰えさせないことがポイントです。

私たちの研究成果では、電気刺激マシンによる骨格筋への刺激よりも、自分の意思で骨格筋を動かすことがブレインヘルスには有効であることがわかってきました。

おうち時間が長くなっても、ブレインヘルスを保つために、自ら骨格筋を動かすことを心がけてみませんか。100年人生を満喫するためにも、ウチでも、ソトでもアクティブに過ごしましょう。



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著者
須藤 みず紀 Sudo Mizuki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 副主任研究員

専門分野 運動生理学
主な研究テーマ 脳と骨格筋の相互作用に着目した運動とメンタルヘルスの関係、骨格筋の収縮と認知機能の関係
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