公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

魚を食べてビタミンDを増やそう

日本人に伝統的に?不足している栄養素としてカルシウム(CA)が有名ですが、ビタミンD(VD)も不足しています。いくらCAをとっても、VDがなければ、小腸からCAを吸収できません。また、VDは免疫力の増強にも関係します。感染症だけではなく、がん(特に大腸、乳腺、前立腺)や自己免疫疾患の予防にも有効なようです。

ビタミンDをとる方法


VDの受容体は全身の多くの器官や細胞にありますが、この受容体と結合して作用するのはVD2とVD3です。これらを十分量確保するには、食事からとる(特に魚)、日光を浴びて皮ふでつくる、サプリメントを服用する等の方法があります。まずは週2~3回、魚(魚卵も含む)をとるようにしましょう。鶏卵やカキ貝、キノコもよいでしょう。肉、野菜、果物、豆、穀物にはVDはほとんどありません。皮ふがんや日焼けをさけるため日光に当たらない人がいますが、(春、秋の晴れた日なら)1回15分、週3回くらいなら、皮ふがん、シミ、シワの心配はありません。高齢者の場合、日光浴によってつくられるVDは若い人の25%程度なので、時間を増やす必要があります。日光を浴びることによって、皮ふ以外のがんには、かかりにくくなります。サプリメントもお手軽です。慢性腎不全がなく、用量を守れば過剰摂取にはならないでしょう。



ビタミンDはすぐれもの


ヨーロッパ20か国で、血中VD濃度が低いと新型コロナウイルス感染症の感染率と死亡率が高くなるという報告があります。ヨーロッパの公的機関ではVDの摂取をすすめる動きもあります。VDには、CA代謝を正常化して骨を強くする作用以外に免疫賦活作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、動脈硬化や心疾患、うつ病、認知症等の予防、アンチエイジング効果もあるといわれています。皆さんも早速魚を食べる機会を増やしてみませんか。

【引用した参考図書】
・満尾 正,世界最新の医療データが示す最強の食事術.小学館(2020)
・斎藤嘉美,ビタミンDは長寿ホルモン.ペガサス(2011)
・藤田紘一郎,腸内博士が教える免疫力を上げる食事術.ワニブックスPLUS新書(2020)


ビタミンD摂取の最強サポート「鮭」と「鶏卵」


VDを多く含み、かつ手軽に購入できる鮭と卵は、日々のご飯づくりの強い味方。そんな鮭と卵を使った「ほぐし鮭と卵そぼろの3色丼」をご紹介いたします。小松菜などの葉物野菜も加えて、見た目もきれいなおすすめの1品です。



【レシピ監修】
 公益財団法人 明治安田厚生事業団
 体力医学研究所 研究技術員
 吉葉かおり(管理栄養士)


※PDF版はこちら

著者
進藤 仁 Shindou Hitoshi
一般財団法人 明治安田健康開発財団
新宿健診センター 医師

専門分野 消化器・内科
健康のために行っていること 禁煙・節酒、ウォーキング(通勤に毎日1時間)
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