公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

コロナ禍で、勤労者の身体活動も低下!

新型コロナウイルス感染症の拡大により、日々の活動が制限されています。
では、勤労者の身体活動はどの程度低下したのでしょうか?

コロナ禍で勤労者の身体活動は1日あたり●●分減少!


私たちの研究では、身体活動の状況を高精度に評価できる3軸加速度計※1を用い、首都圏在勤の勤労者を対象に、コロナ前(2019年6月-11月)からの身体活動の変化を2年間追跡しました(図1)。その結果、勤労者の身体活動量は、コロナ禍の2020年、2021年ともに減少していました(図2)。

2021年では、コロナ前(2019年)に比べて、低強度の身体活動が1日約5分、中高強度の活動が1日約6分減少し、その代わりに座位行動が1日約13分増加していました。

この研究では、縦断調査※2を行うことで、首都圏在勤勤労者のコロナ禍における身体活動の変化について、より信頼性・妥当性の高い結果を得ることができました。

※1 腰部に装着するタイプの活動量計。加速度を計ることで、身体活動の時間や強度を正確に評価することができる。
※2 同じ対象者に対して複数回の調査を行う手法。これにより、個人内の変化を正確に捉えることができる。



1日10分程度の身体活動低下も見過ごせない?


では、1日10分程度の身体活動の低下は、健康にどのような悪影響をもたらすのでしょうか?

先行研究では、1日10分の身体活動を“追加”すると、疾患発生や死亡のリスクが約2~8%程度低下することを報告しています。これを踏まえると、コロナ禍における1日10分の身体活動の低下は、それ相応の疾患発生・死亡リスクの上昇を引き起こしかねません。厚生労働省は、1日10分の身体活動を追加する「+10(プラステン)」を推奨していますが、コロナ禍においてはこれまで以上に「+10」を意識して、行動レベルをもとに戻す、さらにプラスしていくという心構えが必要かもしれません。まずはできるところから、少しずつアクティブな生活様式に変えていきましょう!

【出典】Fujiiら, The 2nd Asia-Pacific Society for Physical Activity Conference (2022)
   Murakamiら, Journal of the American College of Cardiology (2015)


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著者
藤井 悠也 Fujii Yuya
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 応用健康科学、運動疫学
主な研究テーマ 運動やつながりを介した健康づくり

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