公益財団法人 明治安田厚生事業団

お問い合わせ

  • 公益財団法人 明治安田厚生事業団 03-3349-2741(代表)
  • 体力医学研究所 042-691-1163
  • ウェルネス開発室 03-3349-2741

平日9:00~17:00(年末年始、祝休日を除く)

健康づくりウォッチ

定期健診 小さな活動で、大きな結果

働く人にとっての年1回の重大イベント「定期健診」。
良い結果が得られるための秘訣をお教えします。

健診結果を良くするライフスタイルって?


心血管疾患や糖尿病などの病気は早期死亡や障害の主要な要因ですが、その対策として、定期健診で測定する腹囲や血圧などの値を適切に管理することが大切です。身体的に活発なライフスタイルは健診結果を良好に保つために重要ですが、近年、活動の場面(仕事・余暇)や身体活動の強度によって、健診結果への影響が異なる可能性があることがわかってきました。では、健診結果を良くするためには、どのような場面の、どれくらいの強度の身体活動が効果的なのでしょうか?

低強度でも良いので、余暇にたくさん体を動かすことが大切


私たちの研究では、勤労者1258名を対象に、普段の活動状況を高精度に評価できる活動量計と呼ばれる機器を使って、場面別の身体活動と健診結果の関連性について検討しました。その結果、良好な健診結果と明確に関連したのは仕事中の活動ではなく、平日の余暇における身体活動時間が長いことや座位時間が短いことでした。特に、総合的な健診結果*と強く関連したのは、運動のような高強度の活動ではなく、ゆっくり歩行や家事といった低強度の活動でした。具体的には、統計学的予測により、余暇の座位行動を30分減らして、低強度の活動に充てることで総合的な健診結果が13%程度改善すると試算されました。

* 腹囲、血圧、血中の空腹時血糖、HDL-c、中性脂肪の結果を一つにまとめた指標


健診結果改善の鍵を握るのは低強度の活動かもしれません。座りっぱなしでテレビを見るよりも、CMの合間に少しだけ部屋の掃除やストレッチをするなど、ちょっとした活動を積み重ねていきましょう。

【出典】Kitanoら, Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports (2022)


※PDF版はこちら

著者
北濃 成樹 Kitano Naruki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 スポーツ科学、睡眠医学、疫学
主な研究テーマ 身体活動や運動による睡眠改善と不眠予防、睡眠が心身の健康に及ぼす影響
ページの先頭へ戻る▲