健康づくりウォッチ
2025年2月28日
勤労者必見!こころの健康を守る1日の過ごし方
男性と女性、それぞれに合った“最適な24時間の過ごし方”が見えてきました。
私たちの1日は24時間しかないので、限られた時間のなかで何をするか(しないか)という選択が必要です。特に、毎日忙しく働いている現代の勤労者のなかには”タイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)”を大切にする方も多いのではないでしょうか。そこで私たちは、ストレス・マネジメントのために最適な24時間の過ごし方を検討することにしました。まず、約2,000名の勤労者を対象に、加速度計と調査票を使って24時間の行動(身体活動、座位行動、睡眠)を調べました。その結果、男女ともに睡眠時間が6時間を下回っている一方で、約12時間も座っていることがわかりました(図1)。また、女性は男性よりも、低強度の身体活動(例:ゆっくりした歩行や家事)が1時間以上多いことも明らかになりました。

図1.男女ごとの24時間の過ごし方
次に私たちは、こうした24時間の過ごし方と1年後の心理的ストレスの関連性を調べました(図2)。その結果、男女ともに座位行動が少ない1日でストレスが低いことがわかりました。さらに座位行動の代わりに何を増やすべきか?について検討したところ、男女で異なる傾向がみられました。男性では、運動などの身体活動ではなく、睡眠時間が多い1日でストレスが低いことがわかりました。一方、女性では、運動などの身体活動が多い1日において心理的ストレスがより顕著に低いことがわかりました。男性は寝ることでストレスや疲労を回復させ、女性は余暇に体を動かすことや、そうした時間を確保する(できている)ことで、ストレスを管理しているのかもしれません。

図2.24時間の行動と1年後の心理的ストレスの関連性
※PDF版はこちら
時間は有限…ストレス管理で優先すべき行動は?
私たちの1日は24時間しかないので、限られた時間のなかで何をするか(しないか)という選択が必要です。特に、毎日忙しく働いている現代の勤労者のなかには”タイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)”を大切にする方も多いのではないでしょうか。そこで私たちは、ストレス・マネジメントのために最適な24時間の過ごし方を検討することにしました。まず、約2,000名の勤労者を対象に、加速度計と調査票を使って24時間の行動(身体活動、座位行動、睡眠)を調べました。その結果、男女ともに睡眠時間が6時間を下回っている一方で、約12時間も座っていることがわかりました(図1)。また、女性は男性よりも、低強度の身体活動(例:ゆっくりした歩行や家事)が1時間以上多いことも明らかになりました。
心理的ストレスの管理に最適な24時間は男女で異なる?
次に私たちは、こうした24時間の過ごし方と1年後の心理的ストレスの関連性を調べました(図2)。その結果、男女ともに座位行動が少ない1日でストレスが低いことがわかりました。さらに座位行動の代わりに何を増やすべきか?について検討したところ、男女で異なる傾向がみられました。男性では、運動などの身体活動ではなく、睡眠時間が多い1日でストレスが低いことがわかりました。一方、女性では、運動などの身体活動が多い1日において心理的ストレスがより顕著に低いことがわかりました。男性は寝ることでストレスや疲労を回復させ、女性は余暇に体を動かすことや、そうした時間を確保する(できている)ことで、ストレスを管理しているのかもしれません。
【出典】Kitanoら, 10th International Society for Physical Activity and Health Congress (2024)
※PDF版はこちら
著者
北濃 成樹 Kitano Naruki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員
専門分野 スポーツ科学、睡眠医学、疫学
主な研究テーマ 身体活動や運動による睡眠改善と不眠予防、睡眠が心身の健康に及ぼす影響
北濃 成樹 Kitano Naruki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員
専門分野 スポーツ科学、睡眠医学、疫学
主な研究テーマ 身体活動や運動による睡眠改善と不眠予防、睡眠が心身の健康に及ぼす影響