公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

勤労者必見!こころの健康を守る1日の過ごし方

男性と女性、それぞれに合った“最適な24時間の過ごし方”が見えてきました。

時間は有限…ストレス管理で優先すべき行動は?


私たちの1日は24時間しかないので、限られた時間のなかで何をするか(しないか)という選択が必要です。特に、毎日忙しく働いている現代の勤労者のなかには”タイパ(タイムパフォーマンス:時間対効果)”を大切にする方も多いのではないでしょうか。そこで私たちは、ストレス・マネジメントのために最適な24時間の過ごし方を検討することにしました。まず、約2,000名の勤労者を対象に、加速度計と調査票を使って24時間の行動(身体活動、座位行動、睡眠)を調べました。その結果、男女ともに睡眠時間が6時間を下回っている一方で、約12時間も座っていることがわかりました(図1)。また、女性は男性よりも、低強度の身体活動(例:ゆっくりした歩行や家事)が1時間以上多いことも明らかになりました。
図1.男女ごとの24時間の過ごし方

心理的ストレスの管理に最適な24時間は男女で異なる?


次に私たちは、こうした24時間の過ごし方と1年後の心理的ストレスの関連性を調べました(図2)。その結果、男女ともに座位行動が少ない1日でストレスが低いことがわかりました。さらに座位行動の代わりに何を増やすべきか?について検討したところ、男女で異なる傾向がみられました。男性では、運動などの身体活動ではなく、睡眠時間が多い1日でストレスが低いことがわかりました。一方、女性では、運動などの身体活動が多い1日において心理的ストレスがより顕著に低いことがわかりました。男性は寝ることでストレスや疲労を回復させ、女性は余暇に体を動かすことや、そうした時間を確保する(できている)ことで、ストレスを管理しているのかもしれません。
図2.24時間の行動と1年後の心理的ストレスの関連性


【出典】Kitanoら, 10th International Society for Physical Activity and Health Congress (2024)


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著者
北濃 成樹 Kitano Naruki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 スポーツ科学、睡眠医学、疫学
主な研究テーマ 身体活動や運動による睡眠改善と不眠予防、睡眠が心身の健康に及ぼす影響
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