健康づくりウォッチ
2025年6月20日
現代人には欠かせないストレス・マネジメント
人は外的刺激(ストレッサー)を受けると生体がゆがみ、病気になることがあります。ストレスを軽減し、予防したり、健康を保つためには「ストレス・マネジメント」が大切です。
自律神経系、じつは3系統
現代人は忙しくしているので交感神経が優位になりやすく、ヨガやストレッチ、呼吸法など、さまざまなリラックス法が良いとされてきました。
一方、現代社会では不登校が35万人といわれ、原因には心身の不調や人間関係、生活リズムの荒れなどがあげられます。大人でもうつ症状やパワハラなどで適応障害になり、会社に行こうとすると無気力感や不安が高まり体調が悪くなる人たちが多くなりました。
最近注目されている学説に、アメリカの精神生理学者ポージェスのポリヴェーガル理論があります。自律神経系は交感神経と副交感神経からなるといわれてきましたが、ポージェスは副交感神経系がさらに「背側迷走神経複合体」と「腹側迷走神経複合体」の2系統に分かれることを発見しました。
ポリヴェーガル理論では、副交感神経は進化の過程で哺乳類が初めて獲得した新しい迷走神経である腹側迷走神経と系統発生的に古い迷走神経である背側迷走神経の2つから成り立つといわれます。
あなたにとって周囲は「大丈夫」と感じられる状態?
人間は社会的な動物ですから仲間のなかで「安全安心」を感じることが大事になります。そのためには、不安や無気力、不登校や出社できない人に「大丈夫だよ」と周囲が言葉で伝えても効果はありません。なぜなら安全安心とは身体(神経)で感じることだからです。本人が本心から「安全安心」と感じられるのは“言葉”ではなく、周囲の存在者が自分自身にも「大丈夫だよ」と感じられる“状態”でいることなのです。
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著者
百武 正嗣 Momotake Masatsugu
NPO法人ゲシュタルトネットワークジャパン(GNJ)理事長
日本フェルデンクライス協会理事
ゲシュタルト療法・ファシリテーター
百武 正嗣 Momotake Masatsugu
NPO法人ゲシュタルトネットワークジャパン(GNJ)理事長
日本フェルデンクライス協会理事
ゲシュタルト療法・ファシリテーター