健康づくりウォッチ
2025年4月30日
昨日と同じ今日、今日と同じ明日の私たち
近年の研究から、健康にとっては、睡眠や活動の“量”だけでなく“規則性”が重要であることがわかってきました。
皆さんは、毎日規則正しいリズムで生活できていますか?例えば、平日に忙しくて運動できなかった分を週末に取り返そうと頑張っている人もいるかもしれません。週末だけ運動する人たちは、平日のこまめな運動と同様に、早期死亡や心疾患のリスクを軽減できることがわかっています。一方で、平日と休日で生活リズムがズレる現象(社会的時差ボケ)による健康被害には注意が必要です。最近では、1週間を通して生活リズムが一定である方が、死亡率や認知症発症リスクが低いことなどが報告されており、就寝・起床、日中の活動のリズムを整えることの大切さが指摘されています。では、規則正しい生活を送ることで、どのような健康効果が期待できるのでしょうか?
そこで私たちは中高齢者458名を対象に、3軸加速度計を使って1週間の睡眠の規則性(Sleep Regularity Index: SRI)と身体活動量を調査しました。算出したSRIを基に、対象者を不規則群・中間群・規則群に分けて、睡眠や活動量を比較しました(図1)。

図1.不規則な者(上段)と規則正しい者(下段)の例
その結果、規則群は不規則群よりも、座位行動が約60分少なく、低強度活動が約35分、中高強度活動が約20分多いことがわかりました。また、規則群は不規則群よりも夜間の中途覚醒が約30分少ない結果となりました(図2)。

図2.睡眠・活動リズムの3分位における強度別身体活動と夜間の睡眠
このことから、睡眠の規則性が、身体活動や睡眠の質を高める鍵となる可能性が示唆されました。規則正しい生活のためには、規則正しい睡眠習慣が大切のようです。まずは就寝・起床時間を一定に維持することから規則正しい生活を実践してみてはいかがでしょうか?
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規則正しい睡眠・活動リズムが健康の秘訣
皆さんは、毎日規則正しいリズムで生活できていますか?例えば、平日に忙しくて運動できなかった分を週末に取り返そうと頑張っている人もいるかもしれません。週末だけ運動する人たちは、平日のこまめな運動と同様に、早期死亡や心疾患のリスクを軽減できることがわかっています。一方で、平日と休日で生活リズムがズレる現象(社会的時差ボケ)による健康被害には注意が必要です。最近では、1週間を通して生活リズムが一定である方が、死亡率や認知症発症リスクが低いことなどが報告されており、就寝・起床、日中の活動のリズムを整えることの大切さが指摘されています。では、規則正しい生活を送ることで、どのような健康効果が期待できるのでしょうか?
睡眠の規則性は、睡眠の質や日中の活動量にどのように影響するのか?
そこで私たちは中高齢者458名を対象に、3軸加速度計を使って1週間の睡眠の規則性(Sleep Regularity Index: SRI)と身体活動量を調査しました。算出したSRIを基に、対象者を不規則群・中間群・規則群に分けて、睡眠や活動量を比較しました(図1)。
その結果、規則群は不規則群よりも、座位行動が約60分少なく、低強度活動が約35分、中高強度活動が約20分多いことがわかりました。また、規則群は不規則群よりも夜間の中途覚醒が約30分少ない結果となりました(図2)。
このことから、睡眠の規則性が、身体活動や睡眠の質を高める鍵となる可能性が示唆されました。規則正しい生活のためには、規則正しい睡眠習慣が大切のようです。まずは就寝・起床時間を一定に維持することから規則正しい生活を実践してみてはいかがでしょうか?
【出典】曹, 李, 薛ら, 第12回日本介護予防・健康づくり学会大会 (2024)
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著者
薛 載勲 Seol Jaehoon
筑波大学体育系 助教
国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS) 客員研究員
国立長寿医療センターフレイル研究部 外来研究員
専門分野 スポーツ科学、睡眠医学、運動生理学
主な研究テーマ 中・高齢者の身体活動と睡眠との関連性
薛 載勲 Seol Jaehoon
筑波大学体育系 助教
国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS) 客員研究員
国立長寿医療センターフレイル研究部 外来研究員
専門分野 スポーツ科学、睡眠医学、運動生理学
主な研究テーマ 中・高齢者の身体活動と睡眠との関連性