公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

メンタルヘルスの鍵は「座位を減らして睡眠へ」

運動や睡眠はメンタルヘルスに好影響を及ぼすと考えられていますが、
残念ながら1日は24時間と有限で、両方の活動を増やすのは困難です。
どちらの時間をより優先すればいいのでしょうか?

1時間の座位を睡眠に充てるとメンタル不調の確率が1~2割減


私たちの研究では、人間ドックを受診した1,094人の勤労者データを分析しました。研究参加者は腰に活動量計を装着し、普段の生活における1日当たりの身体活動量や座位行動時間を測定しました。

分析の結果、メンタルヘルスと関連したのは平日における睡眠、座位行動、身体活動のバランスでした。平日の座位を1時間減らして、睡眠に充てると、心理的ストレスが高い可能性が約2割減少し、仕事への活力が低下している可能性が約1割減少すると推定されました。一方、運動・スポーツなどの中高強度の身体活動では、こうした好影響はみられませんでした。また、休日についても、明らかな関連はありませんでした。

海外の研究では、座位行動を減らして運動(身体活動)を増やすことが良好なメンタルヘルスと関連すると報告されています。しかし、世界的に睡眠時間が短い人が多い日本では、行動変容の優先度は睡眠が高いものと考えられます。

※ OECD. https://www.oecd.org/berlin/42675407.pdf (2009)


まずは、平日の残業や夜間の座位(テレビ視聴・スマホ利用)時間を見直し、睡眠を十分に確保することをおすすめします。



【出典】Kitanoら,Preventive Medicine Reports(2020)


※PDF版はこちら

著者
北濃 成樹 Kitano Naruki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 スポーツ科学、睡眠医学、疫学
主な研究テーマ 身体活動や運動による睡眠改善と不眠予防、睡眠が心身の健康に及ぼす影響

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