研究の紹介
2016年11月10日
男女で異なる座りすぎとメンタルヘルスの関係
概要
近年、新たな健康リスクとして「座位行動」が注目されています。座りすぎている人は、運動していたとしても、生活習慣病や癌などに罹りやすいことが明らかになってきました。しかし、座位行動とメンタルヘルスとの関連については、まだよくわかっていません。そこで当健診センターの勤労者9,335名のデータを分析したところ、男性では座位時間が長いほどメンタルヘルス不良の人が多いことがわかりました。特に、1日の座位時間が12時間以上だと、6時間未満と比べて、メンタルヘルス不良が2.7倍多くなっていました。一方、女性では1日の座位時間が6~9時間の群が最もメンタルヘルスが良好で、男女で違いがあることがわかりました。
(註1)調整変数
年齢、教育年数、暮らし向き、配偶者の有無、残業時間、職種、雇用形態、睡眠時間、睡眠薬の有無、飲酒、喫煙、中強度以上の身体活動
(註2)*:P<0.05
年齢、教育年数、暮らし向き、配偶者の有無、残業時間、職種、雇用形態、睡眠時間、睡眠薬の有無、飲酒、喫煙、中強度以上の身体活動
(註2)*:P<0.05
著者のコメント
男性では他の研究と同じく「座位行動=健康リスク」でしたが、女性では違いました。働く女性は仕事や家事で忙しいことが多く「座ってホッとした時間を少し持つ」ことも大切なのかもしれません。今後は縦断研究を行い、因果関係を確認したいと思います。著者
明治安田厚生事業団 体力医学研究所 甲斐 裕子 主任研究員
出典
体力研究114号(2016年)
明治安田厚生事業団 体力医学研究所 甲斐 裕子 主任研究員
出典
体力研究114号(2016年)