公益財団法人 明治安田厚生事業団

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研究の紹介

職場運動は「ワークエンゲイジメント」を高める可能性があるーMYLSスタディからの知見-

概要


勤労者におけるメンタルヘルスやワークエンゲイジメント※1は、健康かつ生産的に働くために重要です。近年の研究から、運動実践はワークエンゲイジメントを高める可能性があることが報告されていましたが、これまでに有効な運動の実践方法は十分に検討されていませんでした。そこで本研究では、勤労者が職場で行う軽体操やストレッチなどの運動(職場運動)の実践頻度とワークエンゲイジメント、心理的ストレスの関連性について、明治安田ライフスタイル(MYLS)スタディ®のデータを用いて横断的に検討しました。分析の結果、職場運動を週1~2日、あるいは3日以上実践している者では、週1日未満の者と比べて、ワークエンゲイジメントが高いことが明らかになりました。本知見は、従業員の健康づくりや生産性向上を目指した取り組みの一環として、職場運動の普及促進を後押しするものと考えられます。

※1 ワークエンゲイジメント:仕事への活力や熱力を有し、前向きでいきいきと働いている状態


対象と方法


2017年にMYLSスタディに参加した勤労者1321名(平均年齢:50.8±9.5歳、女性:68.2%)を分析対象としました。職場運動の実践頻度により、対象者を週1日未満、週1~2日、週3日以上実践の3群に分けました。ワークエンゲイジメントは、ユトレヒトワークエンゲイジメント尺度の活力に関する3項目で評価し、心理的ストレスはKessler Psychological Distress Scale(K6)を用いて評価しました。統計解析には、職場運動の実践頻度とワークエンゲイジメント、心理的ストレスの関連性を検討するために、ロジスティック回帰分析を用いました。共変量には、基本属性、生活習慣、仕事の特徴、客観的評価に基づく身体活動と座位行動を投入しました。

結果


職場運動を週1~2日(OR=1.93、95%信頼区間=1.00-3.71)および週3日以上(OR=1.63、95%信頼区間=1.23-2.15)実践していた対象者は,週1日未満の対象者と比較して、ワークエンゲイジメントの活力が高かったです。なお、職場運動実践とワークエンゲイジメントは、身体活動や座位行動からは独立した正の関連性を示しました。心理的ストレスでは、共変量を投入したモデルにおいて、いずれの実践頻度も有意な関連性が見られませんでした。

図 職場運動の実践頻度とワークエンゲイジメント、心理的ストレスの関係


まとめ


職場運動とワークエンゲイジメントの関連性は、客観的評価に基づく身体活動・座位行動で調整後も認められたことから、職場運動によって身体活動促進や座位行動軽減がもたらされなくとも、職場で運動を行うこと自体に特異的な効果が存在する可能性が示唆されます。本知見は、ワークエンゲイジメントへの働きかけを通した生産性向上や健康増進への取り組みとして、職場運動の普及促進に役立つことが期待されます。一方、職場運動の頻度と心理的ストレスとの関連性は認められなかったため、詳細な運動の内容(頻度、強度、時間、種類)を考慮する必要があると考えられます。

掲載誌:Preventive Medicine Reports. 2020 Mar; 17: 101030.
論文タイトル:Relationship of workplace exercise with work engagement and psychological distress in employees: a cross-sectional study from the MYLS study.(日本語訳:勤労者における職場運動とワークエンゲイジメント、心理的ストレスの関連性:MYLSスタディによる横断的検討)
著者:Jindo T, Kai Y, Kitano N, Tsunoda K, Nagamatsu T, Arao T
掲載論文URL:https://doi.org/10.1016/j.pmedr.2019.101030

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