公益財団法人 明治安田厚生事業団

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研究の紹介

昇降デスクの使用は勤務時間における座位行動の少なさ、身体活動の多さと関連する

概要


座りすぎの健康影響が解明されるに伴い、立ってデスクワークできる昇降デスクが注目されています。本研究では、勤労者における昇降デスクの使用状況と身体活動、座位行動の関連性について横断的に検討しました。対象は、昇降デスクが導入されているオフィスの従業員です。分析の結果、非営業職では昇降デスクを立位で使用している者は、そうでない者と比べて勤務時間中の座位時間が約35分少なく、30分以上連続の座位行動回数も少ないことが確認されました。一方、営業職ではこのような関連性は認められませんでした。本知見は、昇降デスクの導入や効果的な活用法を検討するうえで有益な資料となることが期待されます。

背景


健康への悪影響が報告されている座りすぎに対して、昇降デスクが有効な対策として挙げられています。しかし、昇降デスクの使用状況により、身体活動や座位行動がどの程度異なるのかは十分に検討されていません。そこで本研究では、昇降デスクが導入されているオフィスの従業員を対象に、加速度計による客観的な身体活動、座位行動評価を行い、昇降デスク使用状況との関連性を検討しました。



内容・成果


対象と方法


対象

都内のオフィスに勤務する従業員90名

調査方法

自記式質問紙調査票および加速度計を用いて調査を実施しました。本研究で用いた主な項目は以下の2つです。

① 昇降デスク使用状況:共用席に設置されている昇降デスクの普段の使用状況について、「0分(立って使用しない)、10分未満、10~30分、30~60分、それ以上」という選択肢で回答を求めました。本研究では「0分(立って使用しない)」を使用無し群、それ以外を使用有り群としました。

②身体活動、座位行動:対象オフィスの標準的な勤務時間帯の身体活動、座位行動について、活動量計を腰に装着してもらい、評価しました。

結果


職種により働き方やそれに伴う行動に違いがあると考えられたため、本研究では営業職と非営業職に分けて分析を行いました。分析の結果、非営業職では昇降デスク使用有り群は、使用無し群と比べて勤務時間中の座位時間が約35分少なく、30分以上連続の座位行動回数も少ないことが確認されました。また、身体活動も使用有り群において多く、移動以外の身体活動が多いことが確認されました。これは、昇降デスク使用に伴い、立位や姿勢を変える動作が多いことを反映していると推察されます。
一方、営業職ではこのような関連性は認められず、昇降デスク使用無し群と有り群の座位行動、身体活動は同程度でした。



まとめ


非営業職において、昇降デスク使用により座位行動が少ないことが確認されました。一方、営業職においては、このような傾向は認められませんでした。このことから、比較的デスクワークの時間が長い勤労者において、昇降デスク使用による座りすぎ解消効果が大きいことが示唆されます。本知見は、昇降デスクの導入や活用法を検討する際に役立つことが期待されます。
また、昇降デスクを使うと、作業内容や気分、体調に応じて、立ったり座ったりと姿勢を変えながら仕事に取り組むことができます。今後は、昇降デスク使用により、心身の健康度や生産性等に対してどのような影響があるかについて、検討を進めていきたいと考えています。


掲載誌:Bulletin of the Physical Fitness Research Institute. 2019; 117: 1-7.
題名:Association of the usage of height-adjustable desks with physical activity and sitting behavior in employees.(日本語訳:勤労者における昇降デスクの使用状況と身体活動、座位行動の関連性)
著者名:Jindo T, Makishima M, Kitano N, Wakaba K, Kai Y.
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