公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

ライバルを作って退屈な運動にスパイスを!

運動の習慣化は難しいと感じませんか?
夢中に取り組むためにはどうしたら良いのでしょうか?

ライバルの存在が健康行動を促進する?


健康のためのウォーキングや運動はなかなか習慣化できません。淡々とこなすだけでは退屈で、継続が難しいのかもしれません。ここでは、習慣づける足掛かりとして、“競争” に注目してみます。

子どもの頃、些細なことでも、他人と競い合い、気がつけば夢中になった経験はありませんか。

ある研究1) では歩数を増やす取り組みとして“競争”を用いました。単に自分の歩数を知らされるより、自分と他人の歩数が比較できる方が歩数はより増加することを明らかにしています(図1)。これは、競争的な心理が歩数の増加をもたらしたと解釈できます。

競争にはわれわれの健康行動を動かす力があるようです。同僚、友人、家族をライバルに見立てて、ちょっとした成果を比べてみるのはいかがでしょうか。日々の暮らしに少しだけ競争のエッセンスを加えることで、退屈だったウォーキングや運動に楽しさが加わり、習慣化に役立つかもしれません。
図1 情報提供の違いによる歩数の変化


過ぎたるは猶及ばざるが如し。何事もほどほどに。


競争は勝敗を決するものであり、必ず敗者を生み出すことからあまり良い印象を持たれません。非常に強いストレスをもたらすこともわかっています。私たちの研究(2019)2)では、競争の結果に関わらず、単に競争的に課題(テレビゲームのような)を行うだけで血圧が普段より15~20mmHgも増加することを示しました。こうした競争的な状態が慢性化すれば心疾患などの原因にもなりかねません。何事も適度が肝心です。

ウォーキングや運動に夢中になれるような環境・状況づくりに、過度に勝敗を意識しない“競争” が程良い隠し味となるかもしれません。

ライバルを作って退屈な運動にスパイスを!(PDF:595KB)

著者
山口 大輔 Daisuke Yamaguchi
体力医学研究所 研究補助員

専門分野 実験心理学、精神生理学
主な研究テーマ 行動経済学的観点を用いた身体活動・運動促進
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