公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

オンラインを活用して、身体活動を促進するには?

コロナ禍で、身体活動量の低下が問題になっています。特に高齢者にとっては活動量の不足が心身の衰えに直結するため、注意が必要です。感染を防止しながら身体活動を促進するにはどのような方法があるでしょうか。

高齢者が運動機会を増やせるオンラインプログラム


習慣的な運動は健康増進に効果的です。しかし新型コロナウイルスの流行後、とりわけ高齢者向け体操教室が休止されることが増え、運動機会の減少による心身への悪影響が心配されています。

従来の対面型に代わり、スマホやタブレット、パソコンを使用して自宅で受講するオンライン運動プログラムの人気が高まっていますが、高齢者でIT機器を使いこなせる人はまだ少なく、あまり活用されていないようです。また高齢者が参加する場合には、限られたスペースで、怪我なく安全に取り組める運動プログラムであることも重要です。

そこで私たちは、高齢者でも簡単に操作できるシステムの構築を目指してオンライン軽体操教室を運営し、その実行可能性を検証しました。



自宅でも楽しく安全に実践できるスローエアロビック教室


高齢者が自宅で手軽に、安全かつ楽しく実践できる軽体操として「スローエアロビック®」を採用しました。高齢者16名に、平日毎朝8時30分から20分間、タブレットにインストールしたビデオ会議アプリを使って、スローエアロビックのオンラインレッスンに参加してもらいました。

運営期間は8週間でしたが参加率は97.4%と非常に高く、タブレット操作が苦手な高齢者でも、オンラインで運動を継続できることが分かりました。アンケート結果から、参加時間が増えると、教室の楽しさが向上し(図)、オンラインでも飽きずに毎日楽しめることが確認できました。



私たちのホームページでも健康づくりに役立つ、一緒に運動できる動画を紹介しています。インターネットが使えるスマホやタブレットがあれば、いつでも、どこでも、好きなときに運動することができます。上手にオンラインを活用し、継続的に体を動かす機会を増やしましょう。

【出典】兵頭ら, JMIR Aging (in press)


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著者
兵頭 和樹 Hyodo Kazuki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 運動生理学、スポーツ神経科学
主な研究テーマ 運動が高齢者の認知機能に与える効果

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