健康づくりウォッチ
2026年3月16日
「筋肉というインフラ」で脳の健康を守る
「脳の健康」と聞くと頭のなかだけの話だと思いがちですが、脳は何から刺激を受けて動いているでしょう?その答えのひとつが、筋肉です。
立つ、歩く、姿勢を保つ、といった日常動作のたびに、筋肉から脳へ、身体の状態に関する膨大な情報が送られています。脳はそれらの情報を材料にして、身体の状態を把握し、次の行動を判断しています。つまり筋肉は、身体を動かすための装置であると同時に、脳に情報を送り続ける「感覚インフラ」なのです。
ヒトを対象とする最近の研究から、筋肉量が少ない人ほど認知機能が低下しやすく、その状態が将来的な認知症リスクにつながる可能性が報告されています。重要なのは、「運動しているから頭がいい」という単純な話ではなく、筋肉そのものの状態が脳の健康と結びついている可能性です。筋肉がやせることで脳に届く感覚情報が減り、脳を使う機会も減ってしまう。これは、道路が傷めば物流が滞るのと同じです。脳という都市は、筋肉というインフラなしには円滑に機能しません。

「まず考えてから動く」と思われがちですが、身体と脳の関係では、動くことで筋肉から情報が入り、その刺激によって脳が目覚めるという流れも重要です。特に、姿勢を支える筋肉や脚の筋肉は、日常生活のなかで常に脳へ刺激を送り続けています。何気ない身体の使い方が、脳の元気を左右しているのです。
特別なトレーニングは必要ありません。階段を使う、座りすぎていると感じたら立ち上がる回数を増やす、姿勢を意識する、といったスモールステップから始めてみてはいかがでしょうか。最も大切なのは、「筋肉を使う=脳に情報を送っている」と知ること。小さな積み重ねが未来の脳への先行投資になります。

脳の健康は、脳だけでは守れません。筋肉というインフラが整ってこそ、脳は本来の力を発揮します。「脳の健康は、筋肉というインフラで決まる」― この視点が、これからの健康づくりを変えていくかもしれません。
※PDF版はこちら
筋肉が衰えると、脳はどうなる?
立つ、歩く、姿勢を保つ、といった日常動作のたびに、筋肉から脳へ、身体の状態に関する膨大な情報が送られています。脳はそれらの情報を材料にして、身体の状態を把握し、次の行動を判断しています。つまり筋肉は、身体を動かすための装置であると同時に、脳に情報を送り続ける「感覚インフラ」なのです。
ヒトを対象とする最近の研究から、筋肉量が少ない人ほど認知機能が低下しやすく、その状態が将来的な認知症リスクにつながる可能性が報告されています。重要なのは、「運動しているから頭がいい」という単純な話ではなく、筋肉そのものの状態が脳の健康と結びついている可能性です。筋肉がやせることで脳に届く感覚情報が減り、脳を使う機会も減ってしまう。これは、道路が傷めば物流が滞るのと同じです。脳という都市は、筋肉というインフラなしには円滑に機能しません。
【出典】Tessierら,JAMA Network Open (2022)
今日からできる、脳のための筋肉投資
「まず考えてから動く」と思われがちですが、身体と脳の関係では、動くことで筋肉から情報が入り、その刺激によって脳が目覚めるという流れも重要です。特に、姿勢を支える筋肉や脚の筋肉は、日常生活のなかで常に脳へ刺激を送り続けています。何気ない身体の使い方が、脳の元気を左右しているのです。
特別なトレーニングは必要ありません。階段を使う、座りすぎていると感じたら立ち上がる回数を増やす、姿勢を意識する、といったスモールステップから始めてみてはいかがでしょうか。最も大切なのは、「筋肉を使う=脳に情報を送っている」と知ること。小さな積み重ねが未来の脳への先行投資になります。
脳の健康は、脳だけでは守れません。筋肉というインフラが整ってこそ、脳は本来の力を発揮します。「脳の健康は、筋肉というインフラで決まる」― この視点が、これからの健康づくりを変えていくかもしれません。
※PDF版はこちら
著者
須藤 みず紀 Sudo Mizuki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 副主任研究員
専門分野 運動生理学
主な研究テーマ 健康増進に資する身体活動と脳-骨格筋の相互連関の解明
須藤 みず紀 Sudo Mizuki
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 副主任研究員
専門分野 運動生理学
主な研究テーマ 健康増進に資する身体活動と脳-骨格筋の相互連関の解明
