公益財団法人 明治安田厚生事業団

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健康づくりウォッチ

多様な生活活動が将来のフレイルを予防!

『運動さえしていれば大丈夫!』…それって本当?
実は、特定の活動に偏らずに多様な活動を行うことが重要なんです!

『生活活動の多様性』とは?


家事やテレビ等の視聴、趣味の活動など、人が毎日の生活を送るために共通に繰り返す様々な活動のことを「生活活動」と呼びます。介護予防においては「運動」「栄養」「社会参加(家庭外で他者と関わる機会)」すべての要素を満たすことが重要とされており、「これさえやっておけば健康!」ということはありません。普段の暮らしのなかでも特定の生活活動だけでなく、様々な種類の活動を偏りなく実施すること、つまり「生活活動の多様性」が大切です。

そこで私たちは、生活活動の多様性を評価するための表を作成しました(下表)。表に示された活動を1週間にどのくらいの頻度で実施しているか回答してもらい、生活活動の多様性を評価します。

生活活動が多様な人は、将来のフレイル発生リスクが低い⁉


私たちの研究では、65歳以上の高齢者を対象に調査を行い、生活活動の多様性と将来のフレイル発生との関連について検討しました。生活活動の多様さで対象者を3つの集団に分けたところ、最も多様性が高かった集団では最も多様性が低かった集団に比べ、2年後のフレイル発生率が58%も低かったことが示されました(下図)。この結果から、生活活動の多様性が介護予防において重要であることが確認できました。

皆さんも是非、私たちの評価表でご自身の生活を振り返ってみてください。普段の生活活動が偏っている場合には、新しい活動に挑戦してみるのはいかがでしょうか。多様な生活活動を実践し、“元気で長生き”をめざしましょう!

※健康な状態と要介護状態の中間の、わずかなきっかけで介護が必要になりやすい状態のことを指す


【出典】
Takahashiら, International Journal of Environmental Research and Public Health (2020),
Takahashiら, Archives of Gerontology and Geriatrics (2021), Takahashiら, Frontiers in Public Health (2023)
本研究は東京都健康長寿医療センター研究所の「板橋お達者健診」のデータを活用した研究です。


※PDF版はこちら

著者
髙橋 淳太 Takahashi Junta
公益財団法人 明治安田厚生事業団
体力医学研究所 研究員

専門分野 老年学、公衆衛生学、理学療法学
主な研究テーマ 地域づくりによる介護予防、ICT機器を活用した心身機能の評価法の開発
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