公益財団法人 明治安田厚生事業団

お問い合わせ

  • 公益財団法人 明治安田厚生事業団 03-3349-2828(代表)
  • 体力医学研究所 042-691-1163
  • ウェルネス開発室 03-3349-2741

平日9:00~17:00(年末年始、祝休日を除く)

お知らせ

外出自粛下での身体活動・運動の実践とその効果
-最新の科学的エビデンスに基づいて-

新型コロナウイルス感染拡大下における運動・身体活動    


今回は、新型コロナウイルス感染と運動・身体活動に関する最新の科学的エビデンスをお知らせします。

歩行速度が遅いことは新型コロナウイルス感染の最大の危険要因!


2020年5月初旬に、新型コロナウイルス感染の関連要因についての論文が速報として出されました。この論文はまだ正式な審査を経たものではありませんが、イギリスの代表的な大規模コホート研究であり、その対象者数、観察要因、測定方法、観察期間、統計解析方法などが優れており、その結果は信頼性が高いものと思われます。感染の有無については、2020年3月16日から4月14日までの間に行われた検査によって判定されています。その結果、感染ありと判定されたものが340名であり、残りの感染なしの285,477名との比較を行っています。

だらだらと歩いている人は新型コロナウイルスに感染しやすい?


解析の結果を図1に示しましたが、数多い要因のうち、最も大きなリスク要因とされたのは持久的な体力の指標とされる「歩行速度」でした。つまり、普通の速さで歩く人に比べて、歩行速度が遅い人は新型コロナウイルスに感染する確率が66%高いということになります。なお、普通の歩行速度の人と歩行速度が速い人では大きな差は認められませんでした。この結果は、日常生活で無意識にだらだらと歩いている人は新型コロナウイルスに感染し易い可能性があるということになります。
なぜこのような関係があるかといったことについては不明ですが、歩行速度は有酸素能力と関係することがこれまでに報告されています。有酸素能力が高い人は呼吸機能や循環機能が高く、免疫機能も高いことも報告されていることから、歩行速度が遅い人は、呼吸機能や循環機能が低く、免疫機能も低いことで感染しやすいと考えられます。
緊急事態宣言の解除が順次実施されるこれからの時期には、感染予防の3密の原則をしっかり守りつつ、屋外での活動を徐々に増やすことが重要と思われます。同時に検討された筋力の指標である「握力」については、新型コロナウイルス感染とは明らかな関係はないとされています。
新型コロナウイルス感染のリスク要因



緊急事態宣言により子供の身体活動が激減


中国では新型コロナウイルス感染拡大防止のために厳しい対策が行われましたが、そのことで中国の子供たちの身体活動が激減したとする論文が速報として報告されました。この論文はまだ正式な審査を経たものではありませんが、都市での感染防止対策が実施される直前にたまたま子供の身体活動に関する調査を実施していたことから、その後のパンデミック中に同じ対象者に再度調査を行ったもので、都市における厳しい感染防止対策(完全な都市封鎖ではない)による子供の身体活動に対する影響を科学的に示した世界で初めての論文と思われます。
調査は中国の上海市の5地区から無作為の選ばれた5校に在籍する6~17歳の児童・生徒2,427名を対象として実施されました。最初の調査は、感染予防対策が実施(2020年1月24日)される前の1月3~21日に行われ、2回目の調査はパンデミック状況下の3月13~23日に実施されました。

感染拡大防止対策中には、約5分の1に減少


その結果を図2に示しましたが、子供の身体活動時間が対策前に540分/週であったものが、対策中には105分/週と約1/5にまで減少しています。また、子供の非活動時間の大きな部分を占めるスクリーンタイム(TV視聴、ビデオゲーム、携帯使用などの使用時間)が610時間/週から2340時間/週へと約4倍にも増えています。つまり、厳しい活動自粛により子供たちの身体活動が大幅に減少し、その時間がTV視聴、ビデオゲーム、携帯使用などの非活動的な時間に充てられていたものと思われます。これらの変化は予想以上の大きさであり、このような状態が長期継続した場合は、子供の身体的・精神的な健康問題に大きく影響することが予想されます。
都市封鎖による子供の活動性への影響


マスク着用による新型コロナウイルス感染の予防効果は?


新型コロナウイルス感染拡大時にマスク不足が問題となりましたが、感染防止効果はどの程度あるのでしょうか。最近の科学的研究の状況と各国でのマスクの使用情報をまとめてみました。
新型コロナウイルス感染予防効果に関する研究では、一定の基準を満たす医療用マスクにはウイルスの拡散防止に一定の効果があるとされていますが、一般用の布製マスクについてはほとんど研究されていません。ただ、2020年4月6日にAnnals of Internal Medicineという雑誌に、布製マスクのウイルス拡散に対する防止効果についての短報が発表されました。結果は、マスクのウイルス拡散防止効果はないというものでした。しかし、この研究は検討事例が4例と少なく、結論的なことは言えないので、今後引き続き検討事例を増やす必要があるとしています。

日常生活におけるマスク着用について、各国の取り組み


各国政府が国民一般に感染予防としてのマスク着用について、どのような取り組みをしているのかまとめてみました。その結果、アジア諸国(中国、韓国、日本など)では肯定的ですが、欧米諸国(米国、ドイツ、英国)では否定的なものになっています。これには、マスク使用についての文化や歴史の違いが反映されているのかもしれません。
世界保健機関(WHO)は、「新型コロナウイルス感染予防のためのマスク使用に関する見解」と題する暫定的な勧告を行っています。そのなかで、感染防止を有効にするには、マスクの取り扱いを正しく行うとともに、手洗いや他人との距離を十分にとることが重要としています。

世界保健機関(WHO)によるマスク使用時のアドバイス


外出自粛下でできる身体活動・運動の実践とその効果


①ココロとカラダを整える こちら
②運動実践とその効果 こちら


※それぞれの詳細は、リンク先をご覧ください


今回の情報発信についてのPDF版はこちら

お問合せ先

公益財団法人明治安田厚生事業団 体力医学研究所 甲斐
 TEL:042-691-1163  E-Mail:y-kai@my-zaidan.or.jp

公益財団法人明治安田厚生事業団 三橋
 TEL:03-3349-2741  E-Mail:ymihashi@my-zaidan.or.jp


ページの先頭へ戻る▲